スタジオジブリの宮崎駿監督が引退宣言を撤回したのを見て、その時の感想は後継者不足なのかな?と思ったものです。しかし、宮崎駿監督って何度も引退するっていって撤回してるような…
それはともかく、それと同時に作品を制作にあたってスタッフ募集を開始したのですが、その求人内容が「月収20万円」。これに対し、高いのか、安いのかという賛否が分かれました。実際日本におけるアニメーターの平均年収は約110万円。これでもまだ高い方だと言われてブラック労働の代表格として取り上げられています。さらに平均作業時間11時間
1カ月の平均休日は4.6日。そういえば、若手アニメーターの53%が家族に経済支援を受けているとか…
年間の製作本数300本以上、市場規模は2兆円。その華々しいアニメ業界にクールジャパンと銘打つ。しかし、その裏では若いアニメーターの日々の生活を困窮させています。
この現状に対しメディアなどを通じて一石を投じているのが日本アニメーター・演出協会(JAniCA)」代表理事の入江泰浩氏さんです。
「以前、私は『クローズアップ現代+』(NHK総合)に出演した際に、制作費を2倍にしてほしいと発言しました。それが実現したときに何を最優先で行うか。それは、極端に低い新人アニメーターの収入を底上げすることでした」と話す入江さん。
そして、アニメ業界の亡霊ともいうべき「制作費の中抜き問題」についても触れています。
アニメ業界を語るとき、必ずと言っていいほど上がる話題は「中抜き」です。この中抜きというのはいわゆるスポンサーが出したお金を代理店や放送局が中抜きし、余ったお金が支払われるというものです。こういった中抜きはアニメ業界以外でも聞きますね。下請け孫請けひ孫受け…
しかし、アニメ業界に限って言えば、それは誤解だと入江さんは話します。
「中抜きは、ゴールデンタイムにアニメをバンバン放送していた時代のひとつの例。いまの“製作委員会”というシステムでは、スポンサーや代理店、テレビ局も含めみんなでお金を出しあい、その集めた資金を元に、制作会社がアニメを作っている」そして、今はそれが主流であると語る入江さん。ゴールデンタイム時代の凄惨な現場が衝撃的だったということもありそのイメージにかなりの爪跡を残しているという事でしょうね。
「製作委員会の中には制作現場の実状を知らない人が多かった。だから、メディアなどを通じて“ブラック労働”の実態を認知してもらえれば、製作委員会の考え方も変わっていくはず」と語る入江さん、さらに「制作費を上げて問題がクリアになるなら、そこに対して全然ちゅうちょはない。むしろ言ってほしい」と呼びかけています。
しかし、増え続けるアニメ製作本数に対し、アニメーターは減り続けているそうで、国内にアニメーターがいないと海外に仕事が流れてしまいます。そして、海外の技術は上がるが国内の技術向上が難しくなってしまうと問題について危惧し、製作スケジュールの悪化、先輩アニメーターによる後輩への技術伝承。経験蓄積が失われてしまうと語っています。改善策の一つとして作品数を絞るよりもまず働き手の収入改善が最優先と…
ブラックイメージの払しょくもそうですが、この収入の改善は急務ですよね。あとはスケジュール等のマネージメントをもう少し専門的に取り入れないと職人さんってそういうところ疎いですしねぇ…
アニメーターは自らの技術を少しずつでも向上。それによりよい仕事を受けやすくなる。そして、制作会社は、製作委員会に掛け合う、または自らで資金調達を行う方法を考える。
本来そうあるべきだったとは思いますし、当たり前のことだと思うのですが…
安売り合戦しすぎた部分もありますよね。戦略を変えるというべきでしょうか。
「そのためには強い発信力と行動力も必要。製作委員会に関して言えば、制作会社への予算を上げる時代になっていると考えて頂きたい。そうやって、それぞれが変わっていく必要がある。そして国には、これからもクールジャパンの柱にアニメーションを置くのであれば、国にしかできない事を行ってもらいたいです」
特に最後のクールジャパン。ただ華々しい部分だけを見るんじゃなく積極的に改善支援をしてほしいですよね。今のままだとクールジャパンというなの冷や飯ですしね。